「夏の後先」(作:うー!さん)


太郎は夢を見ていた。

久しぶりに会った優美は以前と同じように太郎よりも少し背の低いほっそりした美人に成長(?)していた。中学に上がったばかりの優美はすっかりおとなっぽくなって、あどけなさは見えるものの、しとやかな女性へと昇華しようとしているようだ。
優美はにっこり微笑んで、
「たろにい、私中学生になったよ」
と新品のセーラー服のスカートの裾をつまんでくるりと回って見せた。
「新しい制服なの。似合う?」
まだ制服がなじんでいないようでそれがかえって初々しい。
「あたしもたろにいと一緒に中学校、通いたかったな」
少しすねたように言う優美がとてもかわいい。太郎はすでに高校生だからとうてい無理な話だが、かわいいいとこが慕ってくれるのは太郎とてうれしいことだ。
「ね、たろにい…」
優美は顔を赤らめて目をつぶり、太郎に擦り寄ってきた。薄く閉じた唇が太郎の顔に徐々に近づいてくる。太郎はごくりと生唾を飲み込んだ。いくらなんでもまだそれは早いだろう。太郎が一歩、後ずさろうとすると体勢を崩してひっくり返ってしまった。ひっくり返った先はなぜか布団の上で、そのおかげか痛みはまったくない。あおむけになった太郎の上にうっとりした優美が乗ってさらに唇を近づけてくる。優美は太郎よりも小柄なのに、体が動かせないほどずっしり重い。うん?、と疑問に思ったが、優美は太郎の体の上をずり上がり、さらに顔を近づけてきた。太郎の体にかかる重圧もさらに強くなり、息ができなくなった。
くっ、苦しい…っ!
そんな太郎に優美はお構いなしで太郎の上に乗っかったままだ。優美はほっそりしたままなのにどんどん重くなり、太郎の体がみしみしと骨の軋む音を上げ始めた。
つっ…つぶれるっ!!
太郎がそう思った次の瞬間、バキッという大きな音がして太郎の体がずうん、と沈んで死ぬかと思うほどの強烈な重圧がかかったところで目が覚めた。
太郎は汗びっしょりで自分のベッドの上に寝ていた。夢か、とほっとしたような、残念だったような複雑な気持ちだった。しかしもう夢から覚めているのに体にかかる重圧は夢のままで苦しい。しっ死ぬっ!
太郎がもがきながら自分の体を見ると、いつ来たのか、優美が布団の上から太郎の上にのしかかっていたのだ!
「たろうにい、早く起きないとつぶれちゃうぞ〜っ」
などとのんきに言っている。太郎は一気に眠気がぶっ飛び、
「ば、ばか、早くどけよ、ほんとに死ぬっ!」
と怒鳴った。優美は太郎に怒鳴られてしぶしぶ太郎の上から降りた。
「だって、たろにい、ちっとも起きないんだもん」
などとブツブツ言っている。体が軽くなり、ようやくまともに息をすることができた。太郎が起き上がると、太郎のベッドの脚がつぶれて折れていた。どうやら優美が乗ったせいでその体重に耐えられなかったベッドが破壊されてしまったようだ。脚だけではなく、マット台も壊れているようだ。
「優美ぃーっ!」
太郎が怒るとさすがにまずいと思っているのか、優美は巨体を縮めてしゅんとしている。
ああ、やっぱり夢だったか、と優美の巨体を見上げながら思った。
んんっ? なんだかまた…?
優美は縮めていた体を伸ばすと、優美の顔は太郎の遥か上になった。隆々と筋肉の盛り上がる大胸筋の向こうに優美の顔があるということは…。
「優美、お前いったいどのくらいになったんだ?」
太郎はもうあきらめたように聞くと、
「えへへ、もうちょっとで190cmで体重は200kg超えちゃった」
いやどう見ても200kgどころではないだろう。太郎の目の前には大きく張り出した大胸筋の下くらいで大人と子供くらいの差がある。筋肉も恐ろしく増えているようで、優美が動くたびにギシギシミキミキと筋肉がこすれ合う。こんなのが乗っかったら太郎のやわなベッドなど壊れて当然だろう。むしろつぶれなかった太郎が以外に丈夫だったのだ。太郎の周りにはなぜかすさまじい筋肉を持った女性がたくさんいて、いつも散々振り回されているものだから、知らず鍛えられていたらしい。
太郎がだまっていると、まだ怒っていると思ったのか、優美はあせったように、
「だ、だってたろにいったら最近ちっとも優美に会いにきてくれないんだもん。せっかくこんなに『ばるくあっぷ』したのにぃ〜」
と言い訳し始めた。確かに太郎は正月に会って依頼、優美とは会っていない。優美とジムに行って優美の筋肉に圧倒され、怖くなってできるだけ会わないようにしていたのだ。おかげで半年以上、顔を合わせなかった。もう夏休みも間近だ。
「ねっ、たろにい、見て見てっ!」
優美は着ていた服をあっという間に脱ぐと、ボディビル用のポージングスーツ姿になった。どうやら下から着てきたようだ。服の上からでも十分すぎるほど優美の体つきはわかっていたが、こうして露になるとこの半年の間にいかにバルクアップしてきたかがわかる。優美に会うたびにすでに限界まで来ていてこれ以上筋肉つける余地などないと思うのだが、優美は太郎の推測を毎回大きく裏切っている。今回は特にあっていない期間が長かったためか、筋量の増大がものすごい。軽く腕を広げて立っているだけなのだが、あちこちの筋肉からギュッとか、ピキッとか筋肉の軋む音がはっきり聞こえてくる。太郎は優美にぶっ壊されたベッドの上に立っているので、視線は太郎の方が幾分高い。優美の顔は相変わらずで、あどけなさの残るかわいい小学五年生の顔だったが、その周囲の筋肉があまりにも大きい。前に見たときにもすごかったが、また胸や肩、首の筋肉が肥大しており、あごがもう少しで大胸筋にくっつきそうだ。いつもは下から見上げている優美を少し上から見ていかに優美の顔周りの筋肉が発達しているのか改めて実感した。
「すっ、すごいな、優美。優美の顔、筋肉に埋まりそうじゃないか。」
思わず太郎がそう言うと、優美はうれしそうににっこり笑って、
「でしょう! でも筋肉盛り上げるとほんとに埋まっちゃうんだよー。見てて!」
というと、こぶしを腰に当てて体に力を込め始めた。たちまち優美の筋肉がギュギュッと大きな音を立て、もこもこと盛り上がり出した。太郎は生唾を飲み込んで見守る。
優美の首がぐっと太くなり、優美の顔よりも太くなる。たいていは首の方が顔よりも細いのに、小さな顔に野太い首が無理やりくっついているのが異様だ。さらに太くなっていく首は優美のあごの下を埋めていく。優美の顔の左右にそびえる肩はもともと大きく盛り上がっていたが、力を込めると膨れ上がり出し、徐々に顔の方へと迫ってきた。大胸筋は下から突き上げるように巨大化していく。首の筋肉と大胸筋や肩の筋肉が押し合いへし合いし始め、お互いに優美の顔の周りの空間を奪い合う。すでに優美のあごの下は筋肉で埋まり、首も太くなりすぎて首であるかどうかもわからなくなってきている。それでも筋肉の隆起は少しも衰えず、ずん、ずんと巨大化していく。とうとう優美のあごを押し上げるようにしていた筋肉はあごを埋めた。肩の筋肉も顔のすぐ横まで迫り、それでも筋肉はぐんぐん大きくなっていき、優美の顔を埋め始める。
太郎は驚愕のあまりに呆然と優美の顔ばかりを見ていたが、優美の体全体も大きくなっていた。優美の腕だけでも太郎の体よりも大きくなっている。
優美の顔は大胸筋、首、肩の筋肉に唇辺りまで埋まっており、それでもぐぐっぐぐっと盛り上がるのをやめない。太郎は怖くなって、
「お、おい、優美、もうその辺で…」
と言ったが、優美は筋肉を盛り上げるのに夢中で聞こえていないようだ。
「むうぅぅぅっ!」
優美が最後に仕上げとばかり、声を上げて一際力を込めると、筋肉は一気に肥大化し、優美の体全体が爆発するように大きくなった。着ていたスーツの紐が限界まで伸びて紐というよりも糸に近いくらいにまで細く引き伸ばされている。
見慣れている太郎でさえも驚きを通り越して呆れたように優美の顔を見ると、優美の顔の三分の一くらいは筋肉に埋まっている状態だ。
優美は筋肉に埋没した顔を太郎に向けると、
「ほらね、肩の筋肉が大きくなりすぎちゃって、こんな風になるの。もっと首の筋肉を太くして、肩の筋肉を押し返さないと」
そう言う優美の首は太郎の胴体よりもずっと太い。太郎がそっと手を当てると、つるつるした肌であるのに恐ろしく硬い。太郎はごくりと生唾を飲み込んだ。本来なら程よく脂肪がついたやわらかい乳房になるはずだが、優美の胸はほぼ筋肉のみでできており、しかも桁外れの筋量と質で、垂れるどころか上に突き上がってきている。太郎が恐る恐る触れてみると、優美の大胸筋がぶるんと震えてむくっむくっと盛り上がって来た。
太郎が驚いて優美を見ると、優美はにこっと自慢げな笑顔を見せた。
「すごいでしょ、たろにい。胸の筋肉もだいぶ大きくなったの」
どんどん盛り上がる大胸筋の上には太い血管が浮き出ている。ミシッミシッと大胸筋は筋繊維が現れ、いかに脂肪が少ないかがわかる。優美の胸は女性の胸というよりも男性ボディビルダーの大胸筋を何倍も巨大化させたような胸だった。しかも脂肪はほとんどないので筋肉量はさらに多くなる。
「でもね、腕が一番大きくなったんだよ!」
そう言って腕を突き出した。まだ腕を曲げていないのにこんもりとした力瘤が膨れ上がっていて、太郎や優美の頭の大きさを優に凌駕している。太郎の太股二本をまとめても優美の上腕にさえ及ばない。太郎は冷や汗がどっと出てきた。まだ力をまったく入れておらず、曲げてもいない腕がここまで太いとは! 優美がゆっくり腕を曲げ始めると、たちまち上腕は巨大化し、ぐんぐん筋肉が盛り上がって来た。優美はじっくりと力を込めながら腕を曲げ、腕の反応を確かめているようだ。ぐっぐぐっと力瘤が膨れ上がり、それに負けじと下側の上腕三頭筋もせり出してくる。あっという間に倍の大きさになった腕は、盛り上がった力瘤だけでも太郎の頭より大きい。優美は自慢げに自分の腕を見ながら、
「ね、たろにい、あたし今日から夏休みなの! 夏休みだから一日中、トレーニングできるよっ! もっともっと筋肉増やすんだっ。ふふふっ」
優美はあけれたように見ている太郎に楽しげに言った。太郎は、
「そ、そう、それはよ、かっ…た…」
と、ぼうっとしながら言うのが精一杯だった。


 太郎は夏休みになるとすぐに逃げるように海の家のアルバイトに行った。夏休みになって毎日、優美に訪ねて(襲撃?)来られたら、命がいくつあっても足りない。それに太郎も年頃の男の子らしく、多少の下心もあった。家から離れた、住み込みのアルバイトを探して出かけたのだった。
 残念ながら、期待した出会いはなくひと夏のアバンチュールなどとも無縁だった。忙しい海の家でみっちりと働いたおかげで、真っ黒く日焼けして幾分たくましくなったくらいか。太郎は試しに腕を曲げて力瘤を作ってみた。ほっそりした上腕が少し膨らみ、海の家での重労働で少しは鍛えられていたようだ。もちろん優美達には遠く及ばないが、太郎にもたくましくなりたいという年頃の男らしい希望はあったのだ。
 太郎が鏡を見ていると、玄関が壊れたのかと思うほど、激しい音がして扉を開いた。そして廊下が抜けるかと思うほどの振動と騒音が太郎の部屋へ近づいてくる。これはもしかして…。
「たろにいっ!」
太郎の部屋の扉が弾き飛ばされて壁にめり込み、優美が太郎の部屋へなだれ込んできた。と思ったが、部屋の入り口につっかえて、入れないようだ。
「たろにい、たろにいの部屋の入り口、狭くなってるよ〜〜。」
太郎は呆れて、
「そんなわけないだろ…」
と言って、入り口でもがいている優美の前に立った。優美の顔は敷居よりも高くてあごしか見えない。巨大な肩と太郎よりも遥かに太い脚が引っかかっているようだ。入り口全体が優美で埋まっている。太郎はため息をついた。自分が少しはたくましくなったと喜んでいたが、太郎の成長など、優美に比べたら一日分の成長にも満たないのだろう。休み前に見た優美より、目の前でもがいている優美は二周りは大きくなっている。
「もう、やだあっ!」
と、優美が身をよじると、壁が紙が破れるようにあっけなく壊れてしまった。太郎は壊されるだろうなと、これまでの経験からわかっていたので、はあーっとさらに大きくため息をついただけだった。太郎が剣呑な目で優美を見ているのがわかると、優美は、
「えへへ、たろにいの部屋、せまくなってるね」
などと、言い訳がましくつぶやきながら部屋へと入ってきた。タンクトップにホットパンツという軽装で、袖口からはみ出た肩の筋肉だけでも太郎の頭二つ分はありそうだ。優美の体は夏前に太郎の部屋に押しかけてきたとき、パンプアップした体と比べても大きくなって、この休み中、優美がいかに鍛えこんだかがわかる。身長も高くなっているようだが、それ以上に筋量アップがものすごい。体中の筋肉という筋肉が倍の量になったといっても過言ではないだろう。丸々となった体から無言の圧力がかかっているようだ。
太郎がぽかんと口を開いたまま、優美の巨体を見上げる。夏前に気にしていた首も太くなって、顔の三倍、いや4倍くらい太い。首の筋肉が顔から大きくは見出し、耳の後ろから左右に盛り上がっていて、もともと太郎の胴よりもずっと太かったが今では倍以上になっていた。おかげで巨大な肩を押し返していて、肩の筋肉に顔が埋もれなくなっていた。その代わりに大胸筋が下から突き上げるように膨れ上がってきていた。
「ね、たろにい、夏休みにいっっぱいトレーニングしたんだから!」
優美がうれしそうに言った。まだ体に少しも力を込めていないにもかかわらず、この異常な筋肉の盛り上がりはそれだけ筋肉が増えた証拠だろう。太郎が目の前にぶら下がっている野太い優美の前腕にそうっと触ると、小学生らしいすべすべと滑らかで張りのある肌と弾力のある筋肉を感じたがまだ柔らかく、太郎が力を込めて握ると少しへこんだ。その前腕も太郎の太股など比べ物にならないくらい太い。そして、ホットパンツが気の毒になるほど張り詰めた裾から出た脚はもう縦か横かわからないほどで、もうこれが人間の脚とは思えない代物になっている。
「どう? たろにい」
と、優美は優美の体をあちこち見ている太郎に言った。
「いっぱいトレーニングしたから結構大きくなったでしょ!」
結構どころの話ではない、と太郎は思った。夏休みは長いとはいえ、一ヵ月半ほどだ。いくらみっちりトレーニングできたからってここまで大きくなれるものなのか。
「じゃあたろにい、力を込めて大きくなるから少し離れて見ててね」
優美がそう言うと、太郎は優美から離れてベッドの上に移動した。
「じゃあ、いっくよ〜っ」
優美は腕を左右に開き、ゆっくり曲げ始めた。優美が少し腕を曲げるだけで、びくびくっと腕が太くなっていく。じんわりと血管が浮き出始めてきた。曲げる前から優美の頭より巨大な力瘤だったが、盛り上がる勢いはすさまじく、見る見る太くなっていった。優美の顔の横までになり、さらに握り込んだこぶしに届く。それでも上腕は太くなるのを止めず、盛り上がり続けようとする。優美は同時に脚にも力を込めているらしく、脚もぐんぐん太くなっている。大腿のそれぞれの筋肉一つ一つが大きさを増して、優美の脚はまさに筋肉の束となっている。どんどん膨れ上がって太くなって、脚の筋肉がとうとう太郎のベッドにぶつかり、それでもベッドを押すように太くなり続ける。ベッドが優美の太股の筋肉に押されて壁との間に挟まれ、ミシミシと軋んでいたが、ついに優美の筋肉は太郎のベッドはベキッという大きな音を立てて壊れてしまった。ベッドに優美の筋肉が食い込み、さらに壊していく。もう片足だけでも太郎の体全体よりも大きくなっている。太郎は自分の立っているベッドが見る見る壊されていくのを呆然と見ていると、太郎の顔が恐ろしく固いものにぶつかった。太郎が顔を押さえて見ると、それは太郎の間近に迫った優美の大胸筋だった! 優美の筋肉は腕や脚だけではなく、ほかの部分もすさまじい勢いで盛り上がってきていて、太郎の方へと迫っていたのだ! 太郎はごくっと生唾を飲み込み、優美から離れるようにベッドの上で後ずさった。優美の筋肉は太郎を追いかけるようにぐんっと大きくなって太郎に迫り、太郎はまた後ずさる。とうとう太郎は壁際にまで追い込まれ、壁に張り付いたが、それでも優美の筋肉は肥大化を止めず太郎の体に当たり、太郎の体を壁に押し付けた。ベッドは優美の太股の筋肉でほとんど壊されてしまって、太股の筋肉も太郎の脚に食い込み出した。太郎とは比べ物にならない優美の巨体が太郎を覆い、太郎の体に優美の筋肉がめり込んでいく。
「むぐっ! ぅぅっ…!」
太郎が痛さのあまりにうめき声を上げたが優美はうっとりしたように筋肉を盛り上げ続けいる。太郎の体はすっぽりと優美の体に覆いつくされたが、太郎の体に当たっても優美の筋肉は少しもへこまず、太郎の体の方が優美の筋肉に合わせて変形する。太郎の体は優美の筋肉の隙間にようやく収まっている状態だ。
ようやく優美の筋肉が限界まで盛り上がったらしく、それ以上太郎の体に筋肉が食い込まなくなった。時折、ぴくん、ぴくんと揺れている。
「ね、どう? たろにい? 優美の筋肉、大きくなったでしょ?」
優美がにこやかに太郎に言ったが、太郎は優美の筋肉に挟み込まれて身動きどころか返事もできない。
「あれ、たろにい、何処に言ったの?」
優美は不思議そうに辺りを見回したが、優美の筋肉に覆い尽くされている太郎は優美からはまったく見えなかった。すると優美の大胸筋のほとんどない隙間から太郎の髪が一房、覗いているのが見えた。優美は不思議に思って一歩下がると、太郎が優美の筋肉の隙間に挟まっていた。
「たろにい、そんなところで何してるの?」
と優美はいかにも不思議そうに言った。どうやら優美は本当にわからないらしい。いつの間にか、太郎が自分の筋肉の間にいた、としか思っていないようだ。
太郎は苦しさのあまりに優美に文句を言うことさえできず、優美に掴まれてようやく立っている状態だった。優美ははっとなって、
「もしかしてたろにい、私の筋肉に挟まれたいのっ?!」
優美は太郎が自ら進んで優美の筋肉に挟まれたと思ったらしく、
「なーんだ、それならそう言ってくれたらいいのに。今の優美ならたろにいくらい、楽にはさめるよ?」
と言って、弱々しく否定しようとする太郎を鷲掴みにしてほとんどない太股の隙間に押し込んだ。太郎の左右には太郎の体より大きく硬い太股の筋肉。優美は太股に手を当てて、
「じゃあ、いっくよー、たろにい!」
と言った。太郎は消えそうな声で、
「た、助けて…」
とつぶやくように言ったが、もちろん優美に聞こえるはずもない。優美は脚に意識を集中すると、
「ふんっ!」
と掛け声を上げて脚の筋肉に一気に力を込めた。太郎よりも大きかった優美の脚の筋肉がどぶっどぶっと爆発するようにさらに太くなってわずかにあった隙間を埋めていった。太郎の体はその隙間にあったわけなので、当然太郎の体を優美の筋肉が襲い、潰していった。
太郎の体から、べきっ、ばきっと骨の折れる音が響き、平たくなっていく。どんどん潰されていく体は大きな骨はほとんど折れてしまい、今度は折れた骨が優美の筋肉で砕かれていった。ぴきぴきっという骨をすりつぶすような音がして優美の太股から太郎の体がはみ出してきた。優美の左右の太股がほとんどあわさり、太郎は紙のように薄く延ばされていった。

おわり

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